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3Dプリンティングが注目される背景
MAKERS(クリス・アンダーソン著)
2012年に米国で発行された「MAKERS(メイカーズ)」
誰もが製造者になれる「新作業革命」が起きている
- (個人が)デスクトップの加工機械を使って、モノを設計・試作すること
- それらの設計情報をオンラインのコミュニティで他者と共有・協働すること
- 標準化された設計情報ファイルを使うことによって、製造サービス業者に製品の設計情報を送り、好きな数だけ作ってもらったり、自分で加工機械を使ってカンタンに製品をつくることができるようになること
オバマ政権の政策
2013年2月の一般教書演説において製造業の競争力強化の一環として
- 1,000箇所の学校に3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械を完備する工作室を開設
- オハイオ州ヤングスタウンに国立積層造形イノベーション研究所(NAMII:National Additive Manufacturing Innovation Institute)を設立 → America Makes
3Dプリンティングの歴史
日本人による発明
- 1980年に名古屋市工業研究所の小玉秀男さんにより発明
- 発明は、光造形法(Vat photo-polymerizetion,SLA)と呼ばれるもの
- 特許(特開昭56-144478:立体型作成装置)を出願したが、審査請求せず、7年が過ぎ失効
光造形方式
- 1987年にアメリカのチャック・ハル氏が3Dプリンターの基本特許を取得し光造形装置を初めて商品化(SLA-1)
- 世界最大の3Dプリンターメーカーのひとつである「3D Systems」を創業
その他の進展とASTMによる定義
- 材料押出堆積法
1989年ストラタシス社は、材料押出堆積法(Materialextrusion MEX,FDM)の特許を取得
→この方式は製品として仕上げるのは容易。現在の主流の造形法となる
→2009年に特許が切れると低価格化が実現し、一気に普及が始まる - 粉末焼結積層法、その他
1986年、粉末焼結積層造形(Powder Bed Fusion/Selective Laser Sintering SLS)の特許がテキサス大学から出願される
その後さまざまな方式が発明される - ASTMによるAdditive Manufacturingの定義
2009年ASTM(アメリカ材料試験協会)で、AM(Additive Manufacturing)と定義
用途の変化
製造業の基本プロセスの中から、3Dプリンター活用フェーズを見ていきましょう
製造業の基本プロセス
商品企画 ⇒ 開発・設計 ⇒ 生産 ⇒ 販売 ⇒ サービス
3Dプリンター活用フェーズ
試作(Rapid Prototyping) ⇒ 商品企画と開発設計
<メリット>
・短納期化によりイメージを、すぐに「モノ」として確認可能
・製造方法に囚われない柔軟なアイデアの創出→機能極限の追求
型・冶具(Rapid Tooling) ⇒ 開発・設計と生産
<メリット>
・設計変更に柔軟に対応できる→圧倒的な短納期化
・従来の方法では困難な複雑な型でも容易に作成
・冶具/型のストック不要
製品製造(Rapid Manufacturing) ⇒ 生産とサービス
<メリット>
・製品上市までの圧倒的短納期化
・顧客ひとりひとりに対応した製品(Mass Customization)
・保守サービスの為のパーツの在庫/製品等の輸送も不要
Direct Manufacturing の時代へ
RP(Rapid Prototyping)・RT(Rapid Tooling)からRM(Rapid Manufacturing)へ
- 3Dプリンターは、かつてRP装置とも呼ばれていた
→使える材料の制約や未熟なプロセスのため、強度や耐久性に問題があり、試作の用途が中心であった - RM装置(生産への活用)としても脚光を浴び始めた
→材料とプロセスの進化に伴い、部品・製品の生産、生産のツール(型・冶具)への活用がはじまった - RM(Rapid Manufacturing)の伸び
2010年 $224.5million 約246億9500万円
2015年 $588.0million 約646億8千万円
2017年 $918.6million 約1010億4600万円 - 世界市場の予測(プリンター・サービス・材料・プロダクツ含む)
2017年 $7,336million 約8069億6千万円
2021年 $18,194million 約2兆13億4千万円
今後の市場拡大のためには、「導入時の障害や失敗、その解決策を含む詳細な情報を積極的に開示することが重要」となります。
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